関西の夏の風物詩”はも”の話 その1
関西の夏の風物詩。”はも”
「うなぎ」のような形をしており、体長は2mを超えます。「うなぎ」に比べて、口が大きく歯が鋭いのが特徴です。
水深100mより浅い砂泥地に生息しており、産卵期は4月から9月まで。孵化するとレプトケファルス期を経て変体します。オスは成長しても70cm前後で、メスの方がはるかに大きくなります。メスは赤銅色なのに対して、オスは黄色がかった青。
名産地は、紀伊水道、瀬戸内海などで、盛んに釣り漁がおこなわれています。「はも」を好んで食べるのは大阪、京都などで、産地でもある大阪では庶民の味でもあります。生命力に富む「はも」は、内陸である京都に運んでも、まだ生きているほど強い生命力を持つことから、京都で盛んに食べられるようになったといわれます。
小骨の多い魚で、京都や大阪では、開いて皮を下にして、一寸を24に切るほどに細かく包丁を入れる「骨切り」をしてこそ料理をつくることができます。
漢字では「鱧」「歯魚」。当て字だと思われます。語源は鋭い歯をもち、生きているときには人に向かってくる、すなわち「はむ(食む)」、「はむ(咬む)」から。和名類聚抄によると、「はも」の古名は「はむ(波無)」。
島根県では「とうへい」「とうへん」。徳島県ではオスのことを「あおはも(青はも)」、市場では「ほんはも(本はも)」。そのほか「うど」「うにはも」(福井)、「うみうなぎ(海鰻)」(北九州)、「ぎいぎい」「ごんぎり」(長崎)、「じゃはむ(蛇はむ)」(石川県)、「たつばも(竜ばも)」(京都府)、「ばったも」(丹後宮津)、「はぶ」「はむ」などとも呼ばれます。
京都市八坂神社の祇園祭の時期、「はも」が旬を迎えることもあり、「祭鱧(まつりはも)」という言葉があります。祇園祭は7月いっぱい続く長い祭で「鱧祭」ともいわれます。
玉ねぎの産地である泉州大阪府南部には「泉州タマネギが出たら、ハモも出る」という言葉があります。タマネギの収穫期、もしくは収穫後干して味が良くなってきたときに、泉州沖で「はも」が獲れ始めるという意味。
兵庫県篠山市八幡神社では、10月16日あたりにおこなわれている奇祭「鱧祭」があります。スサノオ尊の八岐大蛇伝説を思わせる芸能で、発祥は江戸中期と考えられています。大蛇になぞらえた「はも」をぶつ切りにするという神事で、式後豆腐や田楽を食べるなど、芸能要素と、神と年に一度の接触を尊ぶ珍しい神事として注目を浴びています。
旧暦6月25日の天神祭には、はもづくしの料理を食べる習慣があります。
いずれにせよ、関西の夏の到来は、「はも」とともにやってくる…といっても過言ではないかも知れません。
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