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三重・鳥羽の養殖カキ、2季連続大量死 大手業者「7割死んだ」
カキの水揚げが始まった三重県鳥羽市で、いかだで養殖中のカキが大量死していることが5日、市水産研究所の調査で判明した。養殖カキの大量死が初めて確認された昨シーズン(2019年10月~20年4月)に続く発生で、急激な温度変化が原因とみられる。同研究所は、現在のところ死んでいるのは5割程度と推定しているが、養殖業者のなかには「7割ほどが死んだ」と話す人もいて、これから本番を迎えるカキシーズンを前に頭を抱えている。【林一茂】
同研究所は、昨シーズンの大量死を受け、主査研究員の岩尾豊紀さん(43)が8月から各漁場で聞き取り調査を始めた。さらに、市内の養殖漁場の7カ所で水温やプランクトン、塩分などの観測を実施した。
大量死の原因はまだ確定していないが、岩尾さんは「8月中旬に水温が28度前後から20度前後に急激に下がった。1週間ほどで元に戻ったが、半月後にカキの死が目立つようになった」と述べ、急激な水温変化が影響を与えたとの見方を示した。海域や養殖いかだによってばらつきがあるものの、「平均でカキの5割程度が死んだとみられる」という。
県内のカキ養殖の最大産地の同市浦村町で、いかだ70台で養殖している大手業者の男性(74)は「約7割が死んだと推定している。カキの食べ放題やカキ料理店など、都市圏への出荷をしているが、いずれは事業を絞らなくてはならなくなる」と表情を曇らせた。
若手の養殖事業者(41)は「5~6割が死んだ。食べ放題の店での不足分は、仲間と協力して回し合わなければならなくなる」と今後への懸念を示した。
カキ養殖が盛んな県内の生産量は3460トン(農林水産省18年度統計)で、うち鳥羽市が9割を超す。毎年11月ごろから近くのパールロード沿線に30軒以上の焼きカキ小屋が並ぶが、養殖業者の心配は募っている。
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