高騰サンマ 我慢の秋 小売り・飲食店ため息
道東沖で本格的な漁期に入り、今が旬のサンマが地元や大消費地の札幌で小売店の売り場に並び始めた。ただ、漁模様は不振で仕入れ値が高騰。すし店やスーパーの中には取り扱いを見合わせたり、原価に近い価格に抑えて消費者離れを食い止めようとする店もある。今シーズンの漁獲量は過去最低だった昨年をさらに下回る見通しで、消費者にとって割高感がしばらく続きそうだ。
札幌市西区のコープさっぽろ二十四軒店では29日、110グラムと小ぶりのサンマを1匹214円で販売。入荷も増え始め、価格を下げたが、昨年の同じ時期より30円ほど高いという。28日に購入した同市中央区の高橋早苗さん(71)は「初物なので家族と食べたい」と話した。
同店ではサンマ、秋サケ、生筋子が秋の鮮魚売り場の代表格だが、今年は秋サケも漁獲量が期待できず、水産部の工藤崇バイヤーは「鮮魚にこだわらず貝類などの販売にも力を入れていく」と話す。
一方、道東では釧路市のスーパーヒロセ鳥取店で27日、前日に根室・花咲港で水揚げされたサンマを8キロ(約80匹)入荷。1匹198円(税別)で昨年よりやや高いが、鮮魚担当の関本義臣さん(42)は「初物を何とか早く仕入れたかった。ほぼ原価の販売」とこぼす。昨年の漁獲量も少なかったため、冷凍サンマも市場では品薄だという。
アワビより高く
札幌市中央卸売市場では25日に、棒受け網漁で水揚げされたサンマが今期初めて取引された。1キロ当たりの最高価格は1万5千円で、同日取引されたアワビより3千円も高かった。その後、単価は落ち着いたが、29日も1キロ当たり最高価格約3千円と、昨年の同じ時期より千円以上高い。水産卸の丸水札幌中央水産の担当者は「取扱量は例年と比べものにならないほど激減している」と話す。
飲食店の取り扱いも限定的だ。道内と東京にすし店を構える「はなまる」(根室)では、秋の目玉商品となる旬のサンマがまだない。商品部担当者は「根室発祥の店なのでぜひ扱いたいが、高くて手が出ない」とため息をつく。販売は9月中旬ごろからとなる可能性もあり、今は脂ののったニシンの販売に力を入れる。
郵便局でも例年、各地の特産品を扱う「ふるさと小包」で旬のサンマを販売するが、今年は販売時期が見通せない。ふるさと小包を扱う郵便局物販サービス(東京)は「2007年から売っているが販売できなかった年はない」といい、まとまった水揚げを待つ日が続きそうだ。(麻植文佳、光嶋るい)
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