スーパーなどで市販されている生の鶏肉から高い確率でカンピロバクターが検出されることについて、52%の人が「知らない」と回答したことが愛知県の調査でわかった。一方、中心部まで加熱すれば問題なく食べれることを知らなかった人が61%いることもわかり、県はカンピロバクター食中毒の認知度が低いと分析している。
調査は今年8月から9月にかけて、県消費生活モニター150人を対象に行い、138人が回答した。
食の安全性に関する質問事項の一つとして、近年多発するカンピロバクター食中毒の認知度を調べたところ、「市販の生の鶏肉から高い確率でカンピロバクター菌が検出されること 」を知らなかった人が52.9%いることがわかった。
「飲食店で鳥刺し等の生の鶏肉を食べるとカンピロバクター食中毒にかかる可能性があること」では、43.8%が「知らない」と回答。
「鶏肉が新鮮であることとカンピロバクター菌の汚染とは関係がないこと」を知らなかった人は64.7%。
「たとえカンピロバクター菌に汚染された鶏肉でも、中心部まで加熱すれば問題なく食べることができること」では61.2%が「知らない」と回答した。
カンピロバクターを巡っては、モニター(50代・女性)から「身近で発生する食中毒の危険性をもっと詳しく知りたい。娘がからあげを食べてカンピロバクター食中毒になった。どんな食品を食べたらなるのか知りたい」との意見も寄せられた。
県は消費者意識を把握するため年1回、調査を実施している。前回もカンピロバクター食中毒の認知度調査を行っており、今回とほぼ同様の結果となっていた。
食品安全委員会によると、カンピロバクター食中毒は一年を通じて発生し、加熱不十分な鶏や豚のレバーなどを食べることで感染する可能性がある。また、犬や猫などのペットも保菌している場合があり、予防には▽食肉は十分に加熱する(75℃以上、1分以上)▽調理器具や食器は熱湯で消毒し、よく乾燥させる▽保存時や調理時に肉とほかの食材(野菜や果物など)との接触を防ぐ▽料理前にしっかりと手を洗う――ことが重要だとしている。