マグロの大群にブリの豊漁 ウニとサケは大量死…国内で初めて赤潮被害を起こしたプランクトンと海の異変
日本沿岸の海洋生態系の異変が続いている。北海道ではサンマ、サケの不漁が続き、反面、あまり獲れることがなかったブリが豊漁になっている。さらに襟裳岬沖には、今まで見ることがなかった本マグロの群れが現れたのだ。
ウニやサケが大量死
また、北海道沿岸では赤潮が発生し、ウニやサケ大量死が報告されている。北海道で赤潮が発生すること自体、珍しいことだ。今年、北海道で赤潮を発生された原因になっているプランクトンは、南方系、北方系の両方が入り乱れている。
9月下旬、十勝地方において定置網に掛かったサケの半数以上が死んでいた。この減は、本来、温帯で発生することが多い「カレニア・ミキモトイ」などの植物性プランクトンであった。
また、10月に入り日高地方、釧路近郊では、エズバフンウニが大量に死んでいるのが発見された。
この海域からは、ロシアのアムルー湾に生息するプランクトン「カレニア・セリフォルミン」が発見された。ミキモトイ、セリフォルミンともに、北海道で赤潮被害を起こしたのは初めてである。
この二つのプランクトンは、貝類に毒性を示すことが知られ、ウニ以外にもホタテ貝やアワビ、カキなどに被害が及ぶことが懸念される。
サケの不漁は日本だけの現象
また、サケの不漁は、日本だけのことだ。同じように海水温が上昇しているアラスカ沖、ノルウエー沖のサケは豊漁である。沿岸域の複合的な海洋変化がサケの不漁に繋がっているとともに、乱獲は反省しなければならない。
地球温暖化は、海水温の上昇のみならず、潮流の大きな変化をもたらしている。複合的に海洋環境を大きく変えてしまった。そのため、魚類のみならずプランクトンの生息域も大きく変わっているのである。
さらに、今年の夏の初めには、日照時間が長く植物性プランクトンの異常発生につながった。さらに、その後、続いた集中豪雨により雨水が海に一度に多量に流れ込んだため、沿岸域の塩分濃度が急速に低下し、ウニや貝類の体を弱らせていたのだ。
ウニは、商品となる5センチ大の大きさになるまで4~5年ほどかかる。ウニの品不足は当面続くことは避けられない。
水産行政は根本的な改革を
赤潮対策は日本各地で行われてきて相応の対策がとれている地域も多い。しかし、水産施策は、都道府県単位で行われているため、各地の赤潮対策等の情報共有がなされず、後手に回ったのは否めない。また、水温上昇による魚種の生息海域の変化は、漁法、市場に大きな影響を与えている。
さらに、日本の近海で乱獲を進める中国漁船等の規制も含め、水産外交に力を入れる必要もある。
漁協単位で推進されてきた水産行政は、根本的な改革の必要に迫られているのだ。
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