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道東の赤潮、過去最大級に サケ・ウニ大量死、夏の海水温上昇影響か

 道東を中心に太平洋沿岸で発生した赤潮が過去に例を見ない規模に拡大し、深刻化している漁業被害の原因になっているとの見方が強まっている。小型定置網漁やシシャモ漁が近く始まるが、事態が収束するめどはついておらず、被害が広がる恐れもある。海水からは赤潮を引き起こすプランクトンが少なくとも4種類確認され、専門家は今夏の海水温の高さが原因となった可能性を指摘している。

 十勝管内豊頃町の大津漁港では連日、荷さばき台の脇のカゴに死んだサケが大量に積まれている。25日以降の累計は3千匹以上。漁業者の一人は「どうにもならない。いつまで続くのか」と頭を抱えた。

 赤潮はプランクトンの異常繁殖で海が茶褐色に染まる現象。魚はプランクトンがエラに詰まったり、海中の酸素濃度が低下して死ぬ。海水温が低くプランクトンが繁殖しづらい道内では2015年に函館湾で発生したことがあるものの、スルメイカやアワビなど数百匹が死んだ程度だった。

 赤潮の原因プランクトン、津軽海峡通ってたどり着く? 道などによると、今回は27日時点で釧路、十勝、日高の各管内で秋サケが少なくとも計4600匹、ウニ数十トンなどが死んだ。道は「今回ほど大規模な被害は聞いたことがない」(水産林務部)とする。

 道立総合研究機構中央水試(後志管内余市町)によると、赤潮は釧路管内厚岸町から日高管内えりも町付近の沿岸の広い範囲で、29日現在も発生している。赤潮が確認された約15地点の海水を19~22日に調べたところ、西日本に多い「カレニア・ミキモトイ」など「カレニア属」のプランクトンが4種類見つかった。残りの3種類の特定と赤潮の原因解明を急いでいる。

 赤潮の原因になるプランクトンは暖流に乗って日本海を北上し、稚内経由でオホーツク海側に回ることが分かっており、釧路周辺では大量発生しないと考えられていた。今回のルートは確認されていないが、専門家の間では津軽海峡を通ってたどり着いたとの見方が出ている。

 

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