1m超える新種の深海魚「ヨコヅナイワシ」発見 静岡沖 駿河湾
形態や遺伝子の解析から、「セキトリイワシ」という深海魚の仲間の新種で、この仲間の中では最も大きいことから、研究グループは「ヨコヅナイワシ」と名付けました。
「ヨコヅナイワシ」のうろこは鮮やかな青色で、胃の内容物や食物連鎖の中での位置を調べる最新の分析方法から、駿河湾の深海の食物連鎖の最上位に位置することが分かったということです。
海洋研究開発機構の藤原義弘上席研究員は「大型の魚が見つからずにいたのは珍しい。深海には私たちの知らない生物の多様性があり、深海での漁業も増えているので、生態系を崩さないよう注意が必要だ」と話していました。
「ヨコヅナイワシ」の特徴
その多くは、大きさが30センチから40センチほどで、通常、クラゲやプランクトンを食べることが知られています。
今回の発見は、海洋研究開発機構の研究グループによる論文が受理されたことで、新種の「ヨコヅナイワシ」として認められたことになります。
「ヨコヅナイワシ」は、胃の内容物を調べたところ、比較的、大きな別の深海魚を食べていました。
また、食物連鎖の中での位置を調べる最新の分析方法でも、深海のサメよりも高い値になり、駿河湾の深海の食物連鎖の最上位に位置しているとみられるということです。
「ヨコヅナイワシ」は、表面は鮮やかな青いうろこが覆っていますが、はがれやすく、うろこがはがれると表面が黒く見えるほか、口には細かく鋭い歯が多数並んでいるなどの特徴があります。
骨格などの構造は、病院や医療機器メーカーに連絡して、ヒトのCT検査用の機器を借りられるところを探して調べたということです。
捕獲された4匹はすべてメスで、最大でどの程度の大きさにまで成長するのかや、オスの生態についてはまだ分かっておらず、研究グループはまだ多くの謎が残る深海の生態系を明らかにしたいとしています。
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